“名前と姿と音”
開発を始めた頃、このゲームには、まだ「ぷにころ」という名前がありませんでした。
呼んでいたのは、単に「スライムゲーム」。
同じ色のスライムを合体させて、大きくしていくゲームです。 開発中の仮称としては、それで十分でした。実際、AIにも「スライムゲームの……」と話しかけていました。
しかし、ゲームとして公開するなら、いつまでも「スライムゲーム」というわけにはいきません。
どんな名前が、このゲームに合うのか。
かわいらしくて、柔らかそうで、転がったり、つぶれたり、くっついたりする様子が伝わる名前。
そのイメージをAIに伝えたところ、最初に提案されたのが、
「ぷにころドロップ」
でした。
「ぷにぷに」とした柔らかさと、「ころころ」と転がる動き。 さらに「ドロップ」をつけることで、落ちものゲームであることを分かりやすくしつつ、別ジャンルでの「ぷにころ」という名前との重複も避ける、というアイデアでした。
英語タイトルも、同時に「Punikoro Drop」に決まりました。
私は「Punicoro」のほうが可愛らしいのではないかと主張したのですが、英語圏では「Punic」という部分から、ゲームの雰囲気とは異なる連想を持たれる可能性があるとのことでした。
それならば、と採用したのが「Punikoro」です。
名前が決まると、それまでただのスライムだったものが、少しずつ「ぷにころ」という存在に見えてきました。
次に考えたのは、タイトルロゴです。
文字の形をどうするのか。 どんな色を使うのか。 かわいくするのか、格好よくするのか。 ゲーム画面の上に置いたとき、どう見えるのか。
考えることはできても、それを絵にする力は、私にはありません。
そこで、AIにゲームのイメージだけ伝えて、タイトルロゴを描いてもらいました。

丸くて、柔らかくて、少しつぶれたような文字。 ぷにころそのものが、文字に変形したようなタイトルです。
某国産RPGゲームの影響なのか、スライムらしいキャラクターを描かせると、AIはすぐに頭の先を尖らせてしまいます。
そこだけは修正をお願いしましたが、それ以外は、ほぼ最初の案のままゲームに採用しています。
興味深かったのは、タイトルロゴを考えていたはずなのに、そこから逆に、ぷにころ本体のデザインが決まっていったことです。
名前が決まり、ロゴができ、そのロゴに引っ張られるように、キャラクターの姿が固まっていきました。

開発初期に顔実装したころのデザイン

普通は、キャラクターが先にあり、そこから名前やロゴを考えるのかもしれません。
ぷにころでは、名前とロゴが先に生まれ、そこからキャラクターが育っていきました。
音楽も、ロゴを作ったときとほとんど同じように、イメージだけをプロンプトで伝え、Geminiに作曲してもらいました。
ゲーム中のBGMは、最初に作られた案をそのまま採用しました。
タイトル画面の音楽については、「もっと元気よく、サビから始まってほしい」とだけ修正をお願いしました。変更したのは、それくらいです。
効果音も、ほとんど生成されたものをそのまま使っています。
ただ、連鎖したときに少しずつ音が高くなっていくと気持ちよさそうだったので、そこだけは修正してもらいました。
AIは、自分の代わりに才能を持ってくれる存在というよりも、自分にはなかった表現手段を貸してくれる存在なのかもしれません。
絵を描けないから、ゲームを作れない。 音楽を作れないから、世界観を完成させられない。
そんな境界が、以前よりもずっと低くなりました。
もちろん、絵や音楽を専門に作ってきた人たちの技術が、不要になったわけではありません。
専門家にしか作れないものは、今もたくさんあります。
それでも、これまで何も作れなかった人が、最初の一歩を踏み出せるようになった意味は大きいと思います。
「スライムゲーム」と呼んでいた小さなプログラムに、名前がつきました。
タイトルが生まれ、姿が生まれ、音が生まれました。
そうして、ただの実験だったものが、
少しずつ「ぷにころ」というゲームになっていきました。
ぷにころドロップを遊んでみる
ぷにぷにした生き物を落として育てる、ブラウザで遊べる物理パズルゲームです。
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