ぷにころ開発記録・第6回

思いつき

ゲームを作っていて、一番楽しい瞬間はいつだろう。

完成したときでも、公開したときでもなく、「これ、面白いかも」と思いついた瞬間かもしれません。

私はゲーム開発の専門家ではありません。50歳を過ぎてから始めた、まったくの素人です。

プログラムのことも、物理演算のことも、分からないことばかりです。それでもゲームを作れているのは、分からないことをAIに聞きながら、少しずつ試せるようになったからです。

昔なら、何かを思いついても、どう作ればよいのか分からないところで終わっていたと思います。

今はAIに、

「こんなこと、できないかな」

と相談すると、こちらが思ってもみなかった方法を提案してくれます。

本当に動くのだろうかと半信半疑で頼んでみると、しばらくして、それらしいものが画面の中で動き始める。

そのたびに、たいしたものだなあと感心させられます。

「もっと速くできないかな」

例えば、ぷにころをもっと古いスマートフォンでも快適に遊べるようにしたいと思ったときのことです。

「もっと速くできないかな」

そうAIに相談すると、「TypeScriptで重くなっている処理をRustで書き直し、WebAssemblyで動かしてみては?」と提案されました。

正直に言えば、私にはTypeScriptとRustの違いも、きちんとは分かっていません。

それでもAIに教えてもらいながら試してみると、私の環境では、本当に処理が軽くなりました。

「へえ、そんなことができるのか」

そう感心すると、今度は別のことを試したくなります。

「じゃあ、物理演算だけではなく、ぷにころの描画にもWebGPUを使ったら、もっと速くなるんじゃない?」

これもAIに頼んで、試してみました。

ところが、今のぷにころでは、期待したほど速くなりませんでした。

よく分からないまま思いついたことなので、当然といえば当然なのかもしれません。

それでも、せっかくGPUを使えるようになったのなら、

「雨を降らせたら、どうなるだろう」

「海を作ることもできるのかな」

と、また余計なことを思いつきます。

AIに実装してもらい、動かしてみると、これがなかなか面白い。

画面の中で雨が降ったり、水のようなものが動いたりするのを見ているだけでも、「こんなことまで簡単にできるのか」と驚かされます。

ただ、ゲームとして面白くなったかというと、そうでもありませんでした。

しかも、動作は重くなります。

結局、ぷにころには入れないことにしました。

うまくいかなくても面白い

採用しなかったものでも、すべてが無駄になるわけではありません。

WebGPUを使った仕組みは、ぷにころの動きを比べるために使えるようになりました。

さらに、

「この柔らかい動きを使えば、別のゲームも作れるんじゃないか」

と思い、AIと一緒に新しいゲームも試作しました。

結果は……やっぱり、あまり面白くありませんでした。

でも、不思議と損をした気はしません。

思いついたものが実際に動くところまで見られたし、「これは違うな」ということも分かりました。

何より、試している間が面白かった。

私のような素人でも、思いついたことをAIに話せば、数時間後には画面の中で動いていることがあります。

少し前までの自分からすれば、まるで魔法です。

AIと一緒なら、寄り道ができる

少なくとも私にとって、AIの面白さは、コードを書いてくれることだけではありません。

思いついたことを、実際に見せてくれることです。

「こんなのはどうだろう」と頼んでみる。

動いたものを見て、驚く。

少し遊んでみて、「何か違うな」と思う。

すると、また別のことを試したくなる。

そうした寄り道を、気軽にできるようになりました。

ゲーム作りでは、何をすれば面白くなるのか、私にはまだよく分かりません。

たぶん、これからも分からないままだと思います。

だからこそ、思いついたものを一つずつ試して、「これは好きだな」「これは違うな」と確かめていくしかありません。

AIは、その遊び相手として、とても面白い存在です。

今日も、また試してみる

最近、「AIで何が変わったの?」と聞かれることがあります。

私の場合は、

思いついたことを、すぐ試せるようになったこと。

たぶん、それが一番大きな変化です。

そんなこんなで、今日もぷにころを触っています。

「もう少し柔らかくしたら、どうなるだろう」

「スーパーボールみたいに、よく跳ねるほうが気持ちいいかもしれない」

「お餅みたいに、少しくっつくようにしたら面白いかな」

物理だけではありません。

「もっとゼリーのような“ぷるん感”を出せないかな」

「アメコミのような絵にしたら、どうなるだろう」

「パステルカラーの絵本のような雰囲気も見てみたい」

AIに頼むと、あっという間にそれぞれの案を形にして見せてくれます。

どれも意外と魅力があり、「これはこれで、ありかもしれない」と迷ってしまいます。

AIは、いろいろな案を形にして、私を何度も驚かせてくれます。

でも、どれが好きなのか、どんなゲームにしたいのかまでは決めてくれません。

最後に選ぶのは、自分です。

そこには正解がありません。

だから難しい。

でも、分からないなりに試して、迷って、また試してみる。

50歳を過ぎてから始めたゲーム作りがこんなに続いているのは、きっと、その時間が面白いからなのだと思います。

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ぷにぷにした生き物を落として育てる、ブラウザで遊べる物理パズルゲームです。

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